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著作権侵害の非親告罪化は既定路線? 参議院決算委員会質疑を書き起こしてみた。

著作権

今日の参議院での質疑の中で、みんなの党山田太郎議員がTPPの知的財産分野について、特に著作権侵害非親告罪化について質問していたので取り急ぎ書き起こししてみた。TPPの知的財産分野においては(何らかの形で)著作権侵害非親告罪化は入ってしまう模様だ。

下記書き起こしのレイアウトやフォントの装飾、文中リンクは筆者によります。転載は自由ですが、その場合は参議院インターネット審議中継などでファクトを取り直してください。内容に誤りがないという保証はありません。

平成26年6月6日 参議院決算委員会 山田太郎議員質問(TPP知財分野関連分野のみ)

山田太郎議員:さて時間の関係でですね、質問の内容を前後しますが、TPPと著作権非親告罪の問題について少し質疑していきたいと思います。TPPにおける著作権保護のあり方、特にですね、著作権非親告罪化について、大きな議論となっています。まずおさらいなのですが、日本の著作権では、著作権侵害に対する刑事罰はですね、親告罪というようになっておりまして、著作権を侵害された権利者が告訴しないと、検察官は加害者を起訴できないと、こういう仕組みになっております。そこでまずわが国著作権法親告罪という仕組みをとっているその趣旨について文科大臣のほうからご説明いただけますでしょうか?

下村文部科学大臣:今、山田委員からお話があったとおりでありますが、基本的にわが国がこの著作権侵害について、これは非親告罪(ママ)ということで居続けているわけでございます。これは国によってそうとう著作権制度の制度設計は違いがあるわけでございますが、例えば非親告罪化について検討を行った著作権分科会報告書におきまして、米国、イギリス、フランス等は非親告罪を採用していると。一方著作権侵害について親告罪を採用している国としては、我が国のほか、ドイツ、オーストラリア及び韓国があると承知をしております。ただし親告罪を採用している国においても、ドイツではその侵害行為が業として不法に行なわれる場合、検察当局が特別の公共の利益を理由として、職権による関与を要するものを思料するときは非親告罪としているほか、韓国ではその侵害行為が営利目的で常習的に行われるものについて非親告罪としているものと承知しております。基本的にわが国は非親告罪(ママ)というスタンスの中で、いままでこの著作権については対応したというスタンスであります。

山田太郎議員:TPPの件との絡みで少しお聞きしていきたいのですが、日本の著作権親告罪ですけども、先ほど大臣がお話したようにですね、非親告罪の国が実は多いと。で、TPP参加国は、実はですね、ほとんどの国が非親告罪という仕組みになっております。そういった意味で今回TPPに参画するということは、この著作権に関してですね、日本も非親告罪化を求められるという可能性が非常に高いのではないかなぁというふうに思っております。一方でこの知財の問題、交渉が難航しているというふうにもお伺いしますが、甘利大臣の方にお伺いしたいのと思うのですが、このTPP交渉における著作権侵害非親告罪にするかどうかという問題、どのように日米交渉で間合いが詰まっているのか、この辺りを教えていただけないでしょうか。

甘利TPP担当大臣著作権であるとか特許権、こういういわゆる知的財産権に関しましては、権利者の保護をどこまで強くするかということと、それから利用をどう促進していくか、これはどうバランスをとるかという問題であります。著作権についてもですね、非親告罪の国がご指摘のように多うございます。そこでどうバランスを取りながら親告罪の国と非親告罪の国に関してですね、共通ルールを作るかということで今議論をしているところであります。詳細な中身はなかなか言いづらいのでありますけれども、一律にみんな非親告罪にしてしまえというというような議論はですね、あまり良くないなと、いうようなところからですね、共通ルールにしていくかということを今交渉している最中であります。

山田太郎議員:今ですね、甘利大臣のほうから、一律に非親告罪化というのはどうなのかというようなことで探っているという、大変重要な発言をいただきましたけれども、まさに日本にはですね、アメリカのようにこの非親告罪についてはフェアユースですね、裁判に対する積み上げですとか、それから著作権を法廷で勝ち取ってくるとような実は習慣がありません。どちらかというとですね、現場も習うより慣れろ、慣れるより盗め、まぁいい悪いは別としてですね、先人の考え方や技術を忠実に伝承すると、こういった日本のやり方にこれが馴染むのかどうか。こういった議論は非常に重要だと思っております。

一方で表現の自由の問題としてですね、児童ポルノ規制法改正案みたいなものも、今会で、今国会では取り上げられています。参議院では今週の法務委員会でも質疑が始まるのではと思っておりますが、まさにこの問題、表現の自由、通信の自由、秘密を守ることが重要という立場で私自身も主張してまいりましたけれども、それらの観点から立っても、著作権非親告罪はそのまま日本に素直に適応するというのは、ちょっと見過すわけにはいかない問題かなと、実はこう考えております。著作権非親告罪に関してはこのまま適用されてしまうとですね、まさに児童ポルノ規制法改正案の議論同様、過度な自主規制とか萎縮効果で国内的には文化的、経済的にも混乱が生じるのではないかという懸念も考えております。今後この著作権がどうなるのか、できるだけ内容を開示していただいて、今日甘利大臣の方からも少し披露していただきましたけれども、現場に則した対応を急いで検討する必要もあるのではないかと、こんな問題意識を持っているわけであります。

そんな問題意識を持ちながら、ではですね、著作権を所管する下村文部科学大臣にお伺いしたいと思いますが、このTPP交渉における著作権の取り扱いについては、今甘利大臣の方から少し説明がありましたけれども、実は下村大臣はですね、平成24年6月19日、参議院文教科学委員会で、この著作権の一部改正に関する改正案ということで発言をされています。どんな発言をされているかといいますと、「TPP交渉においては著作権侵害非親告罪化については、これは絶対あってはならない」と発言されているんですね。当時下村大臣は野党の議員でいらっしゃいましたが、今は大臣となられております。大臣になられたからといって、真意を曲げられることはないのかどうか、お察ししたいと思いますが、大臣としてのこの著作権侵害非親告罪とTPPの関係についてですね、所管大臣でもありますので、ぜひご意見とご決意を賜りたいと思います。

下村文部科学大臣:TPPの対応については甘利担当大臣からお話があったとおりでございまして、今、文部科学省文化庁のなかでも著作権法の侵害罪につきまして、職権により刑事手続きを可能とする非親告罪化につきましては、文化審議会著作権分科会において検討が行われてまいりました。その結果、著作権分科会報告書におきまして、著作権等の侵害が著作権者に与える影響は著作物の利用、貸与や規模によって多様であることから、一律に非親告罪化することは適当でない旨の結論が出されております。著作権等の侵害罪の非親告化について、この文化審議会での検討結果や国内外の諸状況を踏まえて適切に対応する必要があると思いますし、TPPも甘利大臣からのお話のとおりであると思います。

ご指摘の私が申し上げたところはその前がポイントでありまして、これは私的違法ダウンロードの処罰についての議員立法の修正案の中で述べたわけでありますが、「今回の法改正は」、当時の答弁ですけども、「今回の法改正はあくまでも音楽等の私的違法ダウンロードを処罰する規定を整備するものでございまして、将来的なダウンロード違法化の全著作物への拡大や非親告罪化をめざすものではありません。今回のアメリカとのTPP交渉においても、これは我々の立場からとしても、このダウンロード違法化の全著作物への拡大、あるいは非親告化について云々」ということでありまして、全てを反対ということではなくですね、非親告のその分野については精査しながら分ける必要があるということで、これは全く甘利大臣の答弁と同じ方向性であるというふうに思います。

山田太郎議員:TPP交渉においてこの非親告罪の問題、両大臣ともご認識が深いということで安心しました。なんとか日本の文化経済の発展のために、この問題、しっかり対処していただければというように思っております。

(書き起こしは以上)